育児しつけと三つ子の魂百までという諺

 三つ子の魂百まで、というのは有名なことわざですね。
 3歳までに育まれた性格などがその人の一生のベースになる、といったような意味合いの言葉になるようですが、この三つ子の魂百までという言葉にもさまざまな解釈の仕方があるようです。

 

 例えば、あることわざ辞典には「幼い時に身につけた性格は死ぬまで続く」といったように書かれていますが、こういった解釈を単純に育児やしつけに適用しようとして、ワケも分からない赤ちゃんの頃からスパルタ的に教育していくような親も稀にいるようです。
 確かに字面だけ見ると、3歳までの教育が重要で3歳までの育児やしつけの遅れを取り戻すことは一生かかってもできない、というようにも読めます。

 

3歳ですべてが決まるわけではない

 しかし、実際に子どもが立って歩けるようになるのは1歳をすぎたあたりですし、語彙が増えてきて、きちんとした会話が成立するようになるのは2歳を過ぎてからになるでしょう。
 そんな状態で、英語教育だの、算数教育だの、音楽教育だのと詰め込み型の教育を行ない、なんとか3歳までにバイリンガルに育てようとか、一流のピアニストへの足がかりをといったことを行なってしまうと、かえって逆効果になってしまうこともあります。

 

 そうではなく、三つ子の魂百まで、という言葉を、三歳までの育児やしつけが豊かな魂を育むのだ、という教えだと読むことはできないでしょうか。

 

親の愛情をたっぷり注ぐこと

 魂、つまりその人の感性やモラルといった、言語や音楽以前の下地を作るのには、3歳までにきっちりとした親の愛情を注いでやることが重要であるというのは、やはりさまざまな報告などから明らかになっていると言えます。

 

 自分が家族の中で、あるいは社会の中で居場所のある人間なんだという安心感をもって成長していける環境を整えて、育児しつけを行なっていくことが、三つ子の魂百まで、ということわざを実践していくことにつながるでしょう。


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